摩天楼は夢模様 鳥 ガラコ
第一話 田舎もん
いよいよ私の順番が来た。 無表情で神経質そうな白人の係員がパスポートを手に取って
「どれ位、日本に行っていた?」と尋ねたので、 「3ヶ月」と答えると数秒私の顔をジーと見た後にその係員はコンピューターに何かを打ち込み始めその後、
パスポートに入国のスタンプを押してくれた。
その瞬間、無事通過した事を確認した私は、まるで処罰されなかった犯罪者気分でJFK空港の外に出た。
到着ターミナルの外に出るとタクシー乗り場ではタクシーを待つ人の長い行列、係員が黄色い紙に書かれた料金表配っている。
マンハッタンまでのタク
シー料金が一定金額だと聞いていたので乗り場で待つ事、15分以上。 なかなか自分の番が来ない事に苛立ち、こうなったら空港リムジンバスに乗ってマン
ハッタンまで行く事に変更。
バスは空港を出て30分以上は走ったと思った頃、窓から見る風景がマンハッタンらしき道路標示が見えてきた瞬間、「出たー!来たー!やったー!」と叫びたくなる気持ちを抑えながら、ついにニューヨークに着いたんだと私は一人で感動していた。
感動しているのも束の間で、バスはグランドセントラル駅のすぐ側、42丁目とパークアベニューの角に到着した。 この空港バスが着いた周りはオフィス街のど真ん中で、靴磨きをする人、どこかのお店の広告ビラを配る人やいい匂いがした屋台、とにかく人が沢山歩いていた。
写真はニューヨークのイメージのためのものです。
鳥 ガラ子
数年間過ごしたロサンゼルスから日本へ一時帰国していた時に東京の友人が経営するネイルサロンで働かないか?と声を掛けられた事がキッカケでニュー
ヨーク へ。 ニューヨークのネイリストの免許を持っていれば日本で重宝されるだろうと単純な動機でニューヨークを住む場所に選んだ。
2006年add7掲載
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